トライクは二人乗りできる？可否と注意点について
トライクに関するご質問で、「二人乗り」に関するご質問をいただく事がございます。
基本的にはトライクは二人乗りが可能な乗り物ですが、「3輪＝二人乗りが可能」ではありません。
また、少し難しい話になりますが「道路交通法」「道路車両運送法」の両面での解釈が必要なので注意が必要です。
今回はトライクの二人乗りについて解説したいと思います。
トライクは二人乗りができる乗り物
まず、トライクの「二人乗り」に関して「道路交通法」の視点での解釈になります。
この道路交通法では「第七十一条の四の二（大型自動二輪車等の運転者の遵守事項）」でバイクの二人乗りの詳細が決まっているのですが、そもそもトライクは道路交通法上の車両区分では「普通自動車」の分類に該当します。
つまりトライクの場合、見た目上3輪と4輪の違いはありますが、道路交通法上では車（普通自動車）を運転しているのと同様の扱いになるというわけです。
結論として、普通自動車の扱いであれば、当然二人乗りをしても問題ないという事になります。
（トライクがヘルメットを被らないで運転することができるのも、同様の理由からです。）
◆参考コラム≫トライクの運転にヘルメットは不要？道交法の解釈について
また、バイク（2輪）の場合は二人乗りについて
・免許取得後1年を経過していること
・高速道路の場合は運転者が20歳以上
・高速道路の場合は免許取得後3年以上
等いくつか条件を満たしている必要がありますが、「普通自動車扱い」のトライクは上記条件に関わらず二人乗りができるという事になります。
免許を取り立ての方でも、後ろに誰かを乗せて走行しても法令違反にはならないという事ですね。
とは言え安全面を考慮すると、ある程度運転に慣れた時点で二人乗りをすること方が良いのではないでしょうか。
トライクの二人乗りで注意すべきこと
前項では「道路交通法」の視点で二人乗りの可否についてお伝えしましたが、一方で「道路運送車両法」での解釈も非常に重要になります。
この「道路運送車両法」では、トライクは「側車付二輪自動車」と言う扱いになる点がポイントです。
（道路交通法と異なるのでややこしいですね・・・。）
そのうえで「道路運送車両の保安基準」を確認すると、二輪車の二人乗りには
・タンデムシート（同乗者シート）
・タンデムステップ
・タンデムベルト（タンデムバー、グラブバー）
の3つが必要である事が明記されています。
そのため道路運送車両法の視点では、上記の3点がきちんと装備されている事が、トライクの二人乗りをすることの必須条件となります。
これらの装備が無いトライクの場合は、二人乗りをしていると法令違反になってしまいますので充分注意をしてください。
車検のあるトライクは車検証も確認
また、車検のあるトライクの場合には車検証も確認してみて下さい。
車検証には「乗車定員」という項目がありますが、トライクで二人乗りをする場合には「乗車定員」が２名になっている必要があります。
もし、乗車定員が１名になっているトライクで二人乗りをすると、「定員外乗車違反」と言う法律違反になってしまうので気を付けてください。
ちなみに、車検証の乗車定員を変更したい場合には「構造変更申請」という手続きが必要です。
当店ではトライクの構造変更なども対応できますので、是非お気軽にご相談ください。
３輪なら二人乗りができる訳ではない
他のコラムでも何度か触れておりますが、「３輪のバイク＝トライク」ではない事もポイントになります。
有名なところでは
・ヤマハのトリシティ（特定二輪車）
・ヤマハのNIKKEN（特定二輪車）
・ホンダのジャイロ（第一種原動機付自転車）
などはトライクには該当しません。
そのため、トリシティやNIKKENは「バイクの二人乗りのルール」、ジャイロは「原動機付自転車の二人乗りのルール」が適用されるという事ですね。
同じ３輪の乗り物でも、まずは自分が乗っている車両がトライクなのか、特定二輪車なのか、それとも原動機付自転車なのかを正確に把握しておくことが大事という事になります。
今回はトライクの二人乗りについて、筆を執ってみました。
トライクは二人乗りも非常に気持ちが良い乗り物です。
トライクにご興味があって、購入・製作をご検討中であれば、是非お気軽にお問合せ下さい。
※本記事はトライク専門店であるトライクショップアドバンスの見解によるものです。
道路交通法や道路運送車両法などを確認し記載しておりますが、トライクで二人乗りをする際にはご自身でもご確認いただけますようお願い致します。